こんにちは、カスタム企画の伊東です。
突然ですが、あなたは「広告で一番強い言葉(売れる言葉)」は何だと思いますか?
- 「無料」
- 「限定」
- 「あなた」
どれも強力な言葉ですが、実は心理学的に「これを使うだけで承諾率(YESと言われる確率)が1.5倍になる」と言われている、魔法のような言葉が存在します。
今日は、コピーライティングの世界で最強と言われる「理由付け(Reason Why)」の魔力についてお話しします。
人は「理由」がないと動けない
結論から言うと、その最強の言葉とは、 「なぜなら〜」「〜なので」という、理由を説明する言葉です。
「え、そんな普通の言葉?」と拍子抜けしたかもしれません。 しかし、人間には「理由(っぽいもの)を与えられると、無意識に納得してしまう」という不思議な習性があるのです。
コピー機の行列実験(影響力の武器)
これを証明した有名な実験があります。 社会心理学の名著『影響力の武器(ロバート・チャルディーニ著)』で紹介されている、コピー機の割り込み実験です。
ある大学で、コピー機の行列の先頭にいる人に「先にコピーを取らせてほしい」と頼む際、3つのパターンで声をかけました。
- 理由なし: 「すみません、5枚なのですが、先にコピーをとらせてもらえませんか?」
- 正当な理由あり: 「すみません、5枚なのですが、急いでいるので先にコピーをとらせてもらえませんか?」
- 理由っぽいものあり(中身なし): 「すみません、5枚なのですが、コピーをとらなければならないので先にコピーをとらせてもらえませんか?」
衝撃の実験結果
さて、どれくらい承諾率(譲ってくれた率)が変わったと思いますか?
- 理由なし: 60%
- 正当な理由あり: 94%
- 理由っぽいもの: 93%
なんと、「急いでいるので」という正当な理由(94%)と、「コピーをとらなければならないので(=当たり前のこと)」という中身のない理由(93%)が、ほぼ同じ成功率だったのです。
つまり、人は理由の中身なんて見ていません。 「〜なので(理由)」という言葉を聞いた瞬間に、思考停止して「いいですよ」と言ってしまうのです。
これを心理学では「カチッ・サー効果(自動的反応)」と呼びます。
ビジネスでの活用法:「〜なので」安いです
この心理テクニックは、当然ビジネスや広告でも絶大な威力を発揮します。
単に「安いです!」「買ってください!」と言うのではなく、こじつけでも良いので「理由」を添えてあげるのです。
- × 理由なし: 「今なら全品30%OFF!」(なんか怪しい、売れ残り?)
- ○ 理由あり: 「決算月で在庫を一掃したいので、全品30%OFF!」(なるほど、それならお得だ!)
- ○ イベントにかこつける: 「社長の誕生日なので、赤字覚悟で振る舞います!」 「もうすぐ春なので、新生活応援キャンペーン!」
理由があるだけで、お客様の「買わないための警戒心」が解け、納得して購入ボタンを押してくれます。
ネタに困ったら「販促カレンダー」
「そんな毎回、理由なんて思いつかないよ」という方は、**「販促カレンダー」**を利用してみてください。
- 1月:お年玉、成人式
- 2月:バレンタイン、受験
- 3月:ひな祭り、新生活
世の中の行事(イベント)は、すべて「売るための正当な理由」になります。 「今日は〇〇の日なので」とつけるだけで、オファーの反応率は劇的に変わりますよ。
余談:プライベートでの「理由なし」は危険?
ちなみに、このテクニックはプライベートでも有効……というか、理由がないと事故ります(笑)
昔の話ですが、当時付き合っていた彼女に、何気なく花を買ってプレゼントしたことがありました。 喜んでくれるかな?と思いきや、彼女の反応は……
「えっ!なんで!?(何かやましいことでもしたの?)」
と、逆に怪しまれてしまいました(苦笑) 私はただ喜ばせたかっただけなのですが、理由がない善意は、時として「裏があるのでは?」と勘繰らせてしまうのです。
「いつもありがとうの感謝の気持ちとして」 「綺麗な花を見かけて、君に似合うと思ったから」
そんな一言(理由)を添えるだけで、結果は違ったはずです。
まとめ:理由付けは「優しさ」である
ビジネスでもプライベートでも、相手にお願いをしたり、何かを提案したりするときは、必ず「理由」を添えましょう。
それは相手を納得させるテクニックであると同時に、「あなたを騙そうとしていませんよ」という安心感を与える優しさでもあります。
あなたの広告やLPには、お客様が納得して購入できる「理由」がちゃんと書かれていますか? 「ただ商品を並べているだけ」になっているなら、ぜひ一言書き足してみてください。
