こんにちは、カスタム企画の伊東です。
先日、ご自身でLP(ランディングページ)を作り、インスタ広告も運用されている方から相談を受けました。 「全然、新規のお客さんが取れないので見てほしい」とのこと。
早速Zoomでお話を伺い、実際のLPを拝見したのですが…… 開いた瞬間、私は猛烈な違和感を覚えました。
今日は、多くの経営者が陥りがちな「ターゲット設定の失敗(妄想ペルソナ)」についてお話しします。
「そんな都合の良い客」は、どこにもいない
なぜ私が違和感を感じたのか? それは、LPに書かれているターゲット像があまりにも「作り手の都合」で固められていたからです。
その商品のターゲットは「中小企業の経営者」でした。 まさに私がその属性に当てはまるのですが、LPを読んでも「欲しい」とは微塵も思いませんでした。私の抱えている悩みや現実と、LPに書かれている悩みがズレていたからです。
ご相談者様に、 「こういう悩みを持ったお客さんって、現実に存在するんですか?」 と聞いてみたところ、
「いや、たぶんいると思うんですよねぇ……」 という、何とも自信のない回答が返ってきました。
「売りたい相手」と「買う人」は違う
これは非常によくある失敗です。 マーケティングの教科書には「ターゲットを絞りなさい」と書いてあります。 すると、多くの人は「自分の商品を喜んで買ってくれる、理想的な人(都合の良い人)」を脳内で作り上げてしまうのです。
- 悩みも都合よく設定され
- 予算も都合よく設定され
- 行動パターンも都合よく設定された人
残念ながら、そんな人はこの世に存在しません。 存在しない人にいくらラブレター(LP)を書いても、誰にも届かないのは当たり前なのです。
ターゲットの正解は「実在する客」だけが知っている
では、どうすれば「正しいターゲット(ペルソナ)」を設定できるのでしょうか? 答えはシンプルです。机の上で想像するのではなく、現場(リアル)に答えを求めましょう。
一番確実な方法は、 「すでにご購入いただいている、既存のお客様に話を聞くこと」 これに尽きます。
なぜなら、そのお客様があなたの商品を買ったのには、必ず「理由」があるからです。 あなたが想像もしなかったような「深い悩み」や「意外な使い方」が、そこには隠されています。
オイシックス社長も実践する「インタビュー」の力
お客様の声を拾う際、アンケート用紙も有効ですが、できれば「対面インタビュー」にチャレンジしてみてください。
アンケートの文字情報だけでは、お客様の「熱量」や「本音の裏側」までは見えません。 直接話すことで、「あ、そこが決め手だったんだ!」という強烈な気づきが得られます。
「現場」に行かないマーケターは二流
実際、野菜宅配大手の「オイシックス」の高島社長は、創業期から定期的にお客様の自宅を訪問し、冷蔵庫の中身を見せてもらったり、食事の様子を観察したりしていたそうです。
「データ」ではなく「生身の人間」を見る。 そこまで徹底しているからこそ、オイシックスはあれほど支持されるサービスになったのです。
Zoomなら、コスト0円で「答え」が聞ける
「インタビューなんてハードルが高い…」 そう思うかもしれませんが、今はZoomがあります。 わざわざ訪問しなくても、画面越しに15分〜30分お話しするだけで十分です。
既存のお客様であれば、 「より良いサービスにするために、少しだけお話を聞かせてくれませんか?」 とお願いして、嫌な顔をする人はまずいません。むしろ「熱心な会社だ」と喜んでくれるはずです。
まとめ:妄想をやめて、現実を見よう
LPが売れない原因の9割は、「ターゲットとメッセージのズレ」です。
もし今、あなたがLPの反応に悩んでいるなら、一度パソコンを閉じて、お客様に聞いてみませんか?
「なぜ、うちの商品を選んでくれたんですか?」 「買う前、何に一番悩んでいましたか?」
その答えの中にこそ、あなたのLPを蘇らせる「最強のキャッチコピー」が眠っています。
